


2026.01.20
富田幼稚園

最近、「世の中、ずいぶん便利になったなぁ」としみじみ感じることが増えていませんか?
スマホ一つで何でも調べられたり、AIが相談に乗ってくれたりと、本当に便利な世の中になりましたよね。
今回は、そんな「便利すぎる時代」だからこそ、改めて大切にしたいポイントを一緒に考えてみましょう。

現代社会は、AI(人工知能)の進化やデジタルトランスフォーメーション(DX)によって、劇的な変化を遂げています。
かつては想像もできなかったオンライン授業が当たり前となり、義務教育現場でも「GIGAスクール構想」によって一人一台の端末が配備されるなど、まさに教育新時代を私たちは生きています。
園の仕事においても、事務の効率化や保護者の皆様との情報共有を円滑にするため、ITサービスを大いに活用しています。
先生たちが、もっとお子さん一人一人とかかわり、本質的な教育に向き合うための前向きな一歩と言えます。
しかし、社会がどれほど便利になっても、忘れてはならない視点があります。
それは、「AIはあくまで便利な手段(道具)であり、それを使う人間の本質は変わらない」という点です。


幼児教育の無償化以降、保護者の子育てに掛かる経済的な負担は軽減されました。
しかし、ここで注意したいのは、教育の「価格」がゼロになっても、その「価値」が均一になったわけではないということです。
特に「人間教育」という分野は、目に見える数値で表すことが難しく、いわゆる「コストパフォーマンス(価格性能比)」という尺度では説明しきれません。
園の建学の精神、伝統、そして日々の創意工夫から生まれる価値は、それぞれの園で異なります。
現代のような多様な価値観が認められる社会だからこそ、園とご家庭が教育方針や価値観を共有することが、お子さんの個性を育むための重要な礎となります。

教育には、大きく分けて二つの柱があります。
① 個人能力を伸ばす教育: 運動、音楽、語学、学習といった専門的なスキルを伸ばすもの。
② 人間活動一般に必要な諸機能の教育: 感情のコントロール、言語能力、基本的生活習慣、躾、道徳、社会性など。
多くの親は、子どもの将来を想うあまり、つい目に見える成果がわかりやすい①(専門能力)に意識が偏りがちです。
しかし、どれほど高い専門能力を持ち、AIや便利な機械に囲まれていても、基盤となる②(道徳や社会性などの諸機能)が欠けていては、安定した社会生活を営むことはできません。
この「人間活動の諸機能」を育むのは、第一義的には、「家庭教育」における家族との営みです。
幼児教育はその大切な土台作りを補完し、支える場所なのです。


1987年のバブル絶頂期、さだまさし氏の楽曲『風に立つライオン』の中で、「僕たちの国は何か大切な処で道を間違えたようですね」という歌詞が綴られました。
経済優先の価値観に走り、日本人としての精神や人の営みを軽視した結果、その後の「失われた30年」という大きな代償を払うことになった過去があります。
AIという強力な力を手に入れた今こそ、私たちはこの歴史を繰り返してはなりません。
時代の変革期だからこそ、流行のスキルや効率性だけに惑わされない、「芯の通った家庭教育」と「ぶれない人間教育への思い」が、私たち大人に問われているのではないでしょうか。


教育に唯一絶対の「正解」はありません。
だからこそ、今、わが子の教育バランスが「スキル(専門能力)」に偏りすぎていないか、人間としての「根っこ」を育てる時間を大切にできているか、ぜひご家庭で話し合ってみてください。
子育てに正解はありませんし、悩みや心配は付き物です。
そんなとき、AIに向かって答えを探すのではなく、日々お子さんの姿を直接見ている担任や、園にその悩みをお聞かせください。
お子さんが今どのような成長の過程にあるのか、共に語り合いましょう。
お子さんの明るい未来を願い、どのような価値観を大切にしたいかを家族で語り合うこと。
その対話自体が、お子さんにとって最高の教育環境となります。
幼児教育に関わる私たちも、保護者さんの思いに応え、共鳴し合いながら、より良い教育環境の整備と保育技術の向上に努めてまいります。
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