2024.09.09
富田幼稚園
お子さんが小さい時はお子さん自身の感情コントロールの入り口です。
だれでも、悲しみや怒りのようなネガティブ感情よりもうれしい楽しいのようなポジティブ感情の方がよいと思いますよね。
でも、気を付けてほしいことがあります。
これから感情のコントロールを身に着けていくお子さんに対してネガティブな感情を過度に遠ざけてしまうと、いつまでたっても感情のコントロールが身に付かないとか、ストレスに対して過度に不安を感じてしまうようになってしまう可能性があります。
幼児期の喜怒哀楽の感情表現は、子どもの発達においてとても大切なことです。感情表現ができるようになると、自分の気持ちを相手に伝えられ、相手の気持ちも理解できるようになります。相手の気持ちを理解できると、感情をコントロールできるようになります。
自分の感情とうまく付き合えるようになることで、自分と他者、自分と周りの社会との調整が上手にできるようになり、社会性がグングン成長していきます。
今回は、幼児期の感情発達について一緒に考えてみましょう。
幼児期の感情発達の特徴
・自己感情の表出(まずは家族に対して⇒近しい他者に対して)
・自己感情の理解(何が理由でその感情を表出しているかを理解)
・他者の感情を理解できるようになる
・自分の感情を調整できるようになる
幼児期の感情発達で特筆すべき点として、他者の感情理解と自己の感情調整があります。
幼児はどのようにして他者の感情理解するのでしょう?
幼児が他者の感情を理解するためにヒントにするものに「表出的手がかり」、「状況手がかり」があります。
「表出的手がかり」とは、他者の表情・音声・しぐさから、その人が気持ちを表すことを理解します。コロナ過中は先生からお子さんまでマスク生活をしていました、その影響から当時のお子さんの内面の発達が半年遅れたという研究結果がでているほどです。お子さんに関わる先生方も表情、声、しぐさは常に意識して生活しています。
「状況手がかり」とは、他者の現在の場面から判断して、もしも自分がその場面にいたら、どのような気持ちになるかを想像し、他者の気持ちを推測します。より高度になると、他者の内的特性(パーソナリティ、好みなど)を考慮して、他者の感情を理解するようになります。
たとえば、自分はおかしを食べるときはうれしいので、他者もうれしいだろうと考えるということです。しかし、" 自分が好きなおかし" が " 友達が嫌いなおかし" という場合があります。5〜6歳児になると、他者の好みなどを考慮して、感情を理解するようになります。
自己の感情調整は、自分を取り巻く他者との関わりを重ねることにより、社会的表示規則の理解が進み、社会・文化に合わせて、ある場面ではどのような感情を表出すべきか・表出すべきではないかというルールを身につけていきます。俗に言うところの"空気を読んで"感情を調整できるようになってきます。
様々な経験によって促される感情調整
子どもは、日常生活で他者との関わりによって得られる様々な経験によって促され、自分の感情を調整していきます。
友達からの「泣いてばかりいると赤ちゃんみたいだよ」「すぐ怒ると友だちから嫌われるよ」などのような直接的な手厳しい意見からも、他者からの要請に気づいたりするきっかけになります。
園でのお子さんがネガティブな感情を表出した際の先生の対応を紹介します。
まず、先生は、その感情の理由を尋ね、状況やトラブルの原因、相手の意図や気持ちを把握します。それを幼児にわかりやすく説明し、解決法を一緒に考えていきます。
先生は、ネガティブな感情の表出を頭ごなしに抑制するのではなく、お子さんの気持ちを認めた上で、「泣き」「怒り」を表出しなくても、言葉や行動で解決できることを教えていきます。
お子さんは自分の感情に向き合い、それを適切に調整し、直面している問題を解決できるようになっていきます。そして、いずれは、先生の手助けがなくても、お子さん自身で感情調整ができるようになります。
保護者さんにとって、お子さんのネガティブな感情は心配の種です。しかし、ネガティブな感情であっても感情表現は、お子さんの発達にはとても大切なことなのです。保護者さんが不安を抱いた際には、ぜひ園にご相談いただければ幸いです。
私達、富田幼稚園は、保護者さんがお子さんの発達を理解することで、各ご家庭の日々の子育てがもっと楽しくなるのではと感じています。
お子さん一人ひとりが感情を豊かに表現し、自分らしく成長していくことを信じて日々の園生活に向き合っています。
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